ヘルマンリクガメは環境変化にも強く、小型で丈夫なため飼育しやすいと言われています。
ペットとしては昔からかなりポピュラーな種類のリクガメで、初心者の方にもおすすめです。
本記事では、ヘルマンリクガメの飼育方法や、飼育に必要なものについて詳しく解説していきたいと思います。
また、ヘルマンリクガメはなつくの?、ケージの大きさはどのくらいがいいの?という疑問についても解説していきたいと思います。
ヘルマンリクガメの基本情報からケージ内の手入れ方法、ライトの照射時間など詳しい飼育方法まで徹底的に解説しているので、これから飼育を考えている方は必読です!
ヘルマンリクガメとは
ヘルマンリクガメは環境変化に強く、小型で丈夫なため飼育しやすい種類です。
流通量も多いため一般的なショップでも手に入りやすいです。
ペットとしては昔からポピュラーな種類のため、初心者にもおすすめです!
以下では、下の項目について詳しく解説していきます。
- 基本情報
- 性格
- 食性
- オスメスの見分け方
- ニシ、ヒガシの違い
- ギリシャリクガメとの違い
寿命・大きさ・値段などの基本情報
寿命や大きさ、値段などは下の表を参考にしてください。
寿命 | 20〜30年 |
---|---|
大きさ | 20〜30cm |
値段 | 10000〜4000円 |
原産地 | ヨーロッパ(地中海沿岸) |
甲羅の特徴 | ややドーム状で丸みを帯びた形状。
黄色やオリーブグリーン、茶色などの地色に、黒や褐色の斑点や放射状の模様。 |
性格
ヘルマンリクガメは温厚で穏やかな性格のため、噛み付くことはほぼないと言われています。
個体差があるため断言はできませんが、比較的人に慣れやすいです。
食性
ヘルマンリクガメは主に草食性であり、植物を食べて生きています。
ヘルマンリクガメの餌については、下の項目で詳しく解説します。
オスメスの見分け方
ヘルマンリクガメのオスメスは、次の4点から見分けることができます。
- 体の大きさ
- 排泄孔の形状
- 甲羅の形状
- 尻尾の形状
詳しくは下の記事で解説しているので、気になる方は読んでみてください!
ニシ、ヒガシの違い
ヘルマンリクガメは、ニシヘルマンリクガメとヒガシヘルマンリクガメの2種類に分けられます。
ニシ、ヒガシの違いは主に次の5点です。
- 生息域の違い
- 値段の違い
- 流通量の違い
- 大きさの違い
- 見た目の違い
詳しくは下の記事で解説しているので、気になる方は読んでみてください!
ギリシャリクガメとの違い
ヘルマンリクガメはギリシャリクガメとよく似ているため、見分けるのが少し難しいかもしれません。
ヘルマンリクガメとギリシャリクガメの違いは、主に次の6点です。
- 生息地
- 臀甲板(でんこうばん)と呼ばれる尻尾の真上の甲羅部分
- 尻尾の形状
- 後脚の付け根の形状
- 甲羅の模様
- 大きさ
詳しく知りたい方は、下の記事を参考にしてみてください!
ヘルマンリクガメはなつくの?
ペットとして飼育されるヘルマンリクガメは、飼い主との関係性を築くことがあります。
飼育下で飼い主からの食事や手入れを受けることで、少しずつ慣れていきます。
愛情を注ぎながら慎重に接していれば、ヘルマンリクガメは人によく慣れ、なついてくれるでしょう。
ただし、個体によって性格や行動が異なるため、必ずしも全てのヘルマンリクガメが懐くわけではありません。
ヘルマンリクガメの個体に近づく場合は、ゆっくりと慎重に接し、ストレスを与えないようにすることが重要です。
ヘルマンリクガメの飼育方法
以下では、ヘルマンリクガメの飼育方法について詳しく解説していきたいと思います。
主に次の5つについて解説していきます。
- ヘルマンリクガメの飼育に必要なもの
- トイレ
- 温度・湿度管理
- ライトの照射時間は?
- 手入れ
ヘルマンリクガメの飼育に必要なもの
まず初めに、ヘルマンリクガメの飼育に必要なものは下の7つです。
- ケージ
- 床材
- 水入れ
- 隠れ家(シェルター)
- ライト
- 餌
- 温度・湿度計
以下では、飼育に必要なものについて、①から順に詳しく解説していきます。
本記事では簡単に紹介していますが、下の記事でヘルマンリクガメの飼育に必要なグッズを厳選して紹介しているので、気になる方は読んでみてください!
①ケージ
ケージの選び方は主に下の2種類あります。
- 亀の成長を考慮して、最初から大きなケージで飼育する
- 亀の成長に合わせてケージの大きさを変えていく
個人的には①の方法がおすすめですが、自分の生活環境や手入れのしやすさを考慮して②にするのも良いでしょう。
ケージの大きさはどのくらいがいいの?
具体的なケージの大きさについては、飼育年数0〜2年の幼体(ベビー)の時には60cm以下の一般的な水槽などでも飼育可能です。
最終的には90〜120cmほどの広さが必要になります。
最大サイズを考慮して、最初から90cm以上のケージで飼育するのが一番コスパがよいです。
90cm以上の水槽は値段も高く、重さがあるため手入れが大変になってくるので、衣装ケースなどで代用しても良いです。
余裕のある方や、とりあえず小さいスペースで飼育したいという方は最初は60cm以下のケージでも良いでしょう。
リクガメは、ケージの壁を乗り越えようとすることがあるため、適切な高さを確保する必要があります。
一般的には、ケージの高さは地表から30 cm以上とすることが推奨されます。
リクガメ飼育セット
リクガメの飼育に必要なものがセットになっているため、初心者の方におすすめです。
②床材
ケージの底面がツルツルしていると、歩きづらく歩行障害を引き起こす原因にもなります。
床材は安全で消化しやすく、保温効果や保湿効果があるものを選ぶ必要があります。
以下では、一般的に使用される床材をいくつか紹介します。
これが絶対良い!というものはないので、自分で使ってみたいと思ったものを選ぶと良いでしょう。
サンド・ソイルミックス
リクガメの飼育によく使用される床材です。
サンドと土のミックスを作ることで、自然な環境を再現できます。
ただし、サンドの粒子が細かすぎると誤飲のリスクがあるため、適切な粒度のものを選ぶ必要があります。
ハイポアラゲナイト
ハイポアラゲナイトは自然の鉱物であり、保温効果があります。
また、湿気を保持し、床材の表面を乾燥させることもできます。
ハイポアラゲナイトはリクガメが掘る行動を促すことがあります。
ヘンプベッドディング
ヘンプベッドディングは天然の繊維でできた床材で、吸水性が高く、消化しにくいことで知られています。
ヘンプベッドディングは清潔で乾燥した環境を提供し、リクガメの健康を保つのに役立ちます。
新聞紙
新聞紙は床材として一時的に使用することができます。
ただし、インクや化学物質が含まれている可能性があるため、リクガメが直接接触しないようにしましょう。
床材の選択はリクガメの種類や個体によって異なる場合があります。
また、床材は清潔を保つために定期的に交換や清掃を行う必要があります。
リクガメが床材を誤飲しないように注意し、健康と安全に配慮した床材を選ぶことが重要です。
③水入れ
水入れは、ヘルマンリクガメが乗ってもひっくり返らないように、ある程度重さのあるものを選ぶ必要があります。
また、水を飲むだけでなく容器に入って水浴びをしたり、排泄をすることもあるため、亀が入れるくらいの大きさのものを選びましょう。
※水入れは定期的に清掃し、新鮮な水を提供しましょう。
ヘルマンリクガメは水浴びの際に日光浴も行います。
水容器の近くに日光浴場を設置し、適切な紫外線(UVB)を提供することが重要です。
これにより、ガメが日光浴と水浴びを同時に行うことができます。
④シェルター
ヘルマンリクガメのケージ内には、適切な隠れ家を設置し、安全と安心感を確保する必要があります。
複数の隠れ家を設置することで、亀が適切な温度や湿度の場所を選ぶことができます。
また、亀が中に入っても、倒れたり移動したりしてしまうことのないように、ある程度の重さと大きさのあるものを選ぶと良いでしょう。
隠れ家は定期的に清掃し、衛生的な状態を保つことが重要です。
排泄をすることもあるため、隠れ家内部を定期的に清掃し、必要に応じて床材やシートを交換して清潔な環境を維持しましょう。
⑤ライト
ヘルマンリクガメは日光を浴びることで体にとって重要な栄養素を補っています。
室内飼育の場合は、日光の代わりとしてライトを設置する必要があります。
リクガメの飼育には主に2種類のライトが必要です。
ライトの種類と役割は下の通りです。
- 紫外線ライト:紫外線B波(UVB)を出す(カルシウム吸収や骨の健康促進)
- バスキングライト:熱を出す(体を温めるためのホットスポットを作る)
※ライトの下は35度くらいになるのがベストです。
ライトを適切に配置し、亀が適切な温度と紫外線を受けることができるようにすることが重要です。
ライトの使用時間や距離については、メーカーの指示や専門家のアドバイスに従ってください。
定期的な点検と交換を行いましょう。
紫外線ライト
バスキングライト
⑥餌
ヘルマンリクガメの主食は野菜です。
一般的には、小松菜やチンゲンサイなどの葉野菜をあげることが多いです。
野菜だけでは栄養が偏ってしまうため、下のようなバランスフードを併用して与えるのがおすすめです。
リクガメ バランスフード
キャベツ、ブロッコリー、カボチャ、ズッキーニなどの野菜も与えることができますが、過剰な摂取は消化問題を引き起こす可能性があるため、バランスを考えて与えてください。
リクガメには果物を与えることもできますが、少し注意が必要です。
下の内容に気をつけて与えてみて下さい。
果物もリクガメの餌の一部として与えることができますが、過剰な摂取は糖分の摂りすぎにつながるため注意が必要です。
おやつとして適度な量で与えることが重要です。
例えば、リンゴやメロンのような水分の多い果物や、イチゴやブルーベリーのようなベリー類を与えることができます。
※ヘルマンリクガメの食事において重要なのは、バラエティに富んでいることです。
野菜、果物などを適度に与え、栄養バランスを保つことが大切です。
食事の頻度はどのくらいが良い?
ヘルマンリクガメの食事の頻度は、幼体の場合は一日3回、成体の場合は一日2回を目安に与えましょう。
少し残るくらいの量をバランスよくあげましょう。
⑦温度・湿度計
適切な温度・湿度を保つことがリクガメの健康を守ることに繋がります。
詳しくは後記します。
トイレ
残念ながら、リクガメはトイレを覚えることができません。
ヘルマンリクガメは、基本的に水中で排泄をします。
そのため水入れをこまめに掃除し、水の交換を行う必要があります。
温度・湿度管理
ヘルマンリクガメの飼育環境として適切な温度は26〜30度です。
寒い時期にはパネルヒーターなどを使用して適切な温度を保つ必要があります。
また、ヘルマンリクガメは比較的乾燥に強いですが、湿度は60%前後が適切です。
湿度計を設置し、必要であれば霧吹きなどで床材を湿らせてあげましょう。
パネルヒーター
ケージの1/3程度の大きさのものをおすすめします。
温度・湿度計
ケージ内に設置し、常に適切な環境を保てるようにしましょう。
ライトの照射時間は?
リクガメの飼育にはライトが必須だという説明をしましたが、どのくらいの時間照射すれば良いかわからない方もいると思います。
ライトは、自然界で生活している場合の日光と同じ役割をしています。
晴れている日や雨の日、曇りの日があることを顧慮して、日光を浴びている時間は平均して8時間程度であると考えられます。
リクガメを室内で飼育する場合は、日中の8時間(7時〜15時ごろがおすすめ)照射するのが最も良いです。
ライトを照射している間はリクガメが体温調節できるように、ライトが当たらない場所にシェルターを設置しておくことが重要です。
日陰で休める場所を作っておくことが大切です。
※ライトの使用時間や距離については、メーカーの指示や専門家のアドバイスに従ってください。
手入れ
ヘルマンリクガメの日々の手入れについては、基本的に掃除は一日1回、床材の交換は1ヶ月に1回を目安に行いましょう。
毎日行う掃除については、下の3つのポイントを意識して行いましょう。
- 食べ残しを取り除く
- 糞尿で汚れている場所を綺麗にする
- 水入れの掃除、水の交換
まとめ
本記事では、ヘルマンリクガメの飼育方法や飼育に必要なものについて詳しく解説しました。
ヘルマンリクガメは人にも慣れやすく、飼育も難しくないため初心者におすすめです。
本記事を参考にヘルマンリクガメの飼育をスタートしてみてはいかがでしょうか?